システム設計の話 その4・売上入力と関連帳票の詳細 [システム設計の話]
詳細事項の検討に入っていきます。まずは、売上入力画面や、その関連帳票を作るに当たって、「売上」の情報というのが、具体的にどんな物かを確認します。
今回の例では、顧客が手動で業務を行っているという設定なので、現状使用している物を参考にして、検討することにします。
実際の作業でも、こうするケースが多いと思います。こういうシステム化の打ち合わせに慣れているお客さんだと、要望を具体的にまとめた物を提出して貰える事もあります。逆に、お客さんから何の提示も要望もなく、とりあえず適当に作ってみたいな事もあります。
さて、顧客は現状の業務の中で、納品書と、売上伝票を手作業で作成しています。これを元にどんな入力画面や帳票を作るか考えます。
で、適当なサンプルがないかと探してみたら、Excelのテンプレートに良さそうなのがあったので、これを使って考えてみようと思います。
こんな感じ。元のテンプレートからちょっといじくってます。
こういう帳票を印刷したい、と言う事で進めようと思います。
では、必要な情報を洗い出していきます。上から順に。
・発行日
うーん、ちょっと定義が曖昧になりそうなので、これは変更します。
とりあえず、データとして管理する日付は、「入力日」「変更日」「注文日」「納品日」をざっくり考えるようにします。
また、帳票には、印刷日時を表示するようにします。
・伝票番号
納品書を一意に特定する為の、ユニークな(重複しない)番号を付ける所です。
採番ルールは、後で考えるとして、そう言う項目が必要と言うことです。
・担当
売上情報には、だれが担当者か、という項目を持たせます。
・顧客情報
納品書の左上に、宛先の顧客情報が印刷されています。
「顧客名」「顧客郵便番号」「顧客住所」などの情報が必要という事です。
「顧客担当者名」まで管理するとめんどくさいので、無しと言うことにします。
また、窓空き封筒の窓に合うように印刷してっていう要望もよくあるのですが、めんどくさいので考えません。
・弊社情報
ちょっと下がった位置に、自社の情報を印刷します。
「会社名」「会社郵便番号」「会社住所」「会社電話番号」などの情報が必要です。
担当者名もこの位置に入れた方がいいかな。
・明細情報
納品する商品の明細情報です。
「商品番号」「商品名」「数量」「単価」「金額」「備考」の項目があります。
これを参考に、売上データのテーブルを設計します。
・合計
「税抜合計」「消費税額」「総額」を、最後に表示します。
ここで「金額」「単価」は、基本的に「税抜き」だろうと推測できます。一般消費者向けの価格表示では、総額表示(税込みの金額)が一般的になりましたが、それ以外は、明細は税抜きで、最後に税を計算することが多いと思います。
単価を税込みで考えると、いろいろとめんどくさいので、税抜きで考えます。
・その他
紙はA4縦で印刷するとします。
1ページの明細数は、帳票設計で決める事にします。
ここで一つ、まためんどくさい事があります。
明細が1ページに収まらないときはどうするか?
考え方は、とりあえず2つ。
合計を印刷せずに、同一ヘッダーを次ページに印刷して、続きの明細を印刷する。明細を出力し終えたら、合計を印刷する。
または、1ページに収まる明細数までしか、1伝票に入力できないようにする。
後者はなんだか作る側の都合を押しつけているようですが、標準形式の伝票はそれぞれ行数も決められているので、そういう作りの物もあります。
うーん、前者で作ると、多少面倒なので、後者にします。
こんな感じで、サンプル帳票からどんな情報があるのか洗い出せました。
ここまででも、どんなマスターが必要か、売上データテーブルはどんな項目が必要か、などいろいろ考えられる段階になったと思います。
「納品書」「売上伝票」はこの情報を元に考えるとしますが、まだ他に「経理売上報告書」「売上実績表」がありますので、それらを確認したうえで、テーブルなどの設計に進もうと思います。